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のこのこピクニックフェスレポート【前編】

  • 執筆者の写真: Yuko Matsuki
    Yuko Matsuki
  • 4月2日
  • 読了時間: 7分

更新日:4月5日

2025年11月30日、東京都立野川公園で「のこのこピクニックフェス」が行われました。11月最終日とは思えない温かい日差しの下、8種類の常設ブースと、5種類7回のワークショップが開かれ、約350名の人々が集い同じ空間を共有しました。




フェス開催の背景

フェスを開催したのは、"子育てをする環境がもっと幸せでありますように"という祈りを捧げるような気持ちからでした。


きのこのこのこキャンプが立ち上がったのが、2021年11月6日。

それから4年。「大人も子供も思いっきり遊ぶ」をコンセプトに、1~2か月に一度のペースで活動を続け、この日までに30回のイベントを開催してきました。


私は昔から子どもが好きでした。中高生の頃は国際協力に関心を持っていましたが、次第に関心は国内の身近な人へと移り、教育の分野で関わりたいと思うようになりました。そうしてベネッセコーポレーションに入社し、約15年働いてきました。

出産を機に退職し、探究的な学びに出会ったことで、「自分も何かやってみたい」という思いが芽生え始めました。その一方で、自身の子育ては試行錯誤の連続。子育ての偉大さを痛感する日々でもありました。家族だけで子どもを育てることに限界を感じ、そんな折に色々な仲間に出会う場面があり、きのこのこのこキャンプの活動を始めました。


普段の私たちの活動では、ainiという自然体験を探せるプラットフォームで募集して、参加費を支払って来ていただく仕組みです。関心を寄せてくださる方に来ていただける一方、関心がそこまで高くない方にはお届けしにくい状況。


きのこのこのこキャンプの活動を続けてきて、「ここまでに作ってきた"きのこのこのこの空気感"をもっと多くの人に届けてみたい」という気持ちが募っていたところでした。


そして、「フェスとかやってみたいですね」。というスタッフのある日の一言とが重なって、”のこのこピクニックフェス"が生まれました。


きのこのこのこキャンプの空気感とは

活動当初は年長さんだった我が家の長女も、今では4年生に。ゲストさんにはお腹の中にいた子が生まれ、その下のきょうだいが生まれているご家庭もあるなど、子どもたちの成長を見守りながら活動を続けてきました。


参加者の方からは、

「子どもたちがとにかく楽しいと言って、次の機会を楽しみにしている」

「恥ずかしがり屋の子が他の子と遊べていた」

といった声をいただきます。


また大人からも、

「自然とつながれる感覚でリフレッシュできる」

「好きなことを好きなようにできる」

「子育ての幸せを全身で感じられる」

といった声をいただいています。


こうした声をもとに改めて見つめ直すと、私たちの場にはこんな特徴があります。


ルールは最低限で、「こうあるべき」が少ない環境。

子どもたちは自然の中で思いきり遊び、時には一人で探究し、時には初めて出会う誰かと自然に関わる場面もあります。複数の大人がゆるやかに見守ることで、行動の幅が広がり、親も過度に注意する必要がありません。

そして何より開催場所はいつも自然豊かな素晴らしい場所。偉大な自然の中では色んな遊びが生まれていきますし、一方で不便さがある中でいつの間にか人と人が協力する空気も生まれていきます。


その結果、思いっきり遊べながら不思議と子どもを叱らずに過ごせる一日になります。

そして、大人もまた一人の人間としてその場にいながら、遊び、学び、好奇心を取り戻していきます。親である前に一人の人として満たされながら、子どもに対する温かい気持ちが自然と溢れてくる。そんな循環が生まれています。


手探りで始めた活動ですが、「いい一日でしたね」と言い合える時間を積み重ね、ここまで続けてくることができました。


この感覚は、言葉では伝えきれない“空気”のようなものでもあります。


フェスで届けたい世界


フェスで届けたいものは何なのか。

この半年間、スタッフみんなで考えてきました。


「自分の子どもが親になって子育てをする時に、どんな世界であって欲しいだろうか」。そんな問いから様々な世界観が出てきました。


・公園で、他の親御さんの目を気にしなくていい世界観

・ごめんなさいを言わせなくても大丈夫な世界

・血縁に限らず、ゆるやかにつながり助け合える・遊びあえる社会

・多世代・多様な人が共に過ごせる場

許し合えるような、安心して失敗できる社会

・〇〇すべきから、解放される空間

・安心できる場所だと思える場


これらは少しずつ異なりながらも、「色んな人がそのままでいれる場所」を求めている点で重なっていました。

あえて一つに絞らず、揺らぎや広がりを持ったままにしていること自体が、きのこのこのこキャンプらしさでもあります。


それらの世界を実現していくために、きのこのこのこキャンプで軸にしているのは、設立当初から掲げている「大人も子どもも思いっきり遊ぶ」ということ。

無心になって、手を動かして、空間を共にしながら、大人も子どもも参加者も運営者も、みんな一人の人間としていること。

そんな時間を通して、ふわりと届けたい世界観を届けられたら。

そんな想いでフェスの準備にあたってきました。


届けたい世界を実現させるために


今回のフェスでは、調布市教育委員会と三鷹市教育委員会の後援を受け、学校へのチラシ配布も行いました。

イベント一ヵ月前くらいからチラシを配布し、事前申込が少しずつ増え、約200名の方にお申し込みいただきました。また、発達特性のある子どもを持つ保護者の団体からも事前にご連絡がありました。


「特性を持っている子たちですが、参加しても大丈夫ですか?」というお問い合わせ。


もちろんいいに決まっています。わざわざお問い合わせをいただける嬉しさと、一方で、「確認しないと不安になる社会」に対して、胸が締め付けられる思いもありました。だからこそ、今回のフェスを開催する意義を感じました。


「そこにいる全ての人が安心して自分のままでいられる空間とは?」

私はきのこのこのこキャンプを通して、その命題を解き続けたいと思っています。


今回のフェスは、いつもとは違う条件下での開催です。


色々な方、お互いを知らない方同士が立ち寄る空間で、どうすれば安心できるのか。

どうすれば初めての人同士でも「迷惑かけてごめんなさい」を言わなくて済む空間ができるのか。

そんなことをメンバー一同で考え続けてきました。


そこで、いつもきのこのこのこキャンプで共有しているルールを、今回も全員に説明することにしました。


「みんなにとって きもちよい いちにちを みんなでつくる」


いつも最初に案内しているきのこのルール。

それぞれの人が心地よいことを一番大切にして、それぞれの自由は担保されているけれど、でも他の人が悲しむことはしない。自分にとっての気持ちいいと、相手にとっての気持ちいいはどちらも大切。知恵と工夫と思いやりをもって、それらが共存する世界をつくってほしい。


そしてそれは、スタッフが管理するのではなく、お互いがお互い様の気持ちで心を寄せ合って、みんなで作る。

それはまさに、よりよい社会をみんなで作る小さなデモクラシーの世界。

自分たちが過ごす空間は誰かに与えられるものではなく、自分たちで作るもの。そんな経験もして欲しいと思っています。


また何より大事なのは、「ここはお互いに声かけあってOKな場所ですよ」という共通ルールを敷くこと。


本当は他の子にちょっと声をかけみたりしたい人も多いのに、「人の子に勝手に声をかけてはならない」という暗黙のルールに縛られ、躊躇してしまうことも多いのではないでしょうか。本当は多少のことは許しあいたいのに、「正しい親であること」をお互いに示さねばならないような、そんな空気が流れてしまっているのこともあります。


でも、ここは大丈夫な場所ですよ。困ったことがあったら話し合ってOKな場所ですよ。ちょっとくらいの危険なことは、ゆっくり見守ってOKな場所ですよ。そんな基本のルールを敷くだけで、誰もが安心して遊べるのではないか。そんなことも実験してみたいと思っていました。




きのこのこのこでいつも大事にしているルールを、初めての人にも分かりやすく、そして今回の条件下で最低限の安全を守れるようにアレンジして、参加するすべての方にご説明をしてから参加いただく流れにしました。そして、このルールに賛同いただけた方には、リストバンドをして、参加者である印をつけることにしました。


普段の活動よりぐっと多い来場者の方に向けての準備。何人の方がいらっしゃるか分からない中、ドキドキの中で準備を進めていきました。


そして、いよいよ当日へ。

一体どんな空気になるのか。

また当日については、別の投稿でレポートさせていただきます。






 
 
 

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